
トラウマの国
著者:高橋 秀実
出版:新潮社 (2005/2/15)
先日、ご紹介したフリーペーパーの「R25」の最後のエッセイを書かれている高橋秀実さんの作品です。
「本書のタイトル『トラウマの国』とは、傷ついた日本という意味ではありません。自分をはっきりさせる目印を追い求める世界のことです。社会の中に自分があるのではなく、あなたの自分と私の自分が投影し合い、そこに『社会』が生み出されるのです。」
自分がなんとな〜く感じていたことをストレートに打ち抜かれた気持ちになりました。
実に、高橋秀実さんらしいシンプルで明快な話です。
取材を重ね導き出されるおもしろおかしい矛盾がそのまま描かれていて、思わず笑ってしまいます。
一番初めの「トラウマへの道」という話が特におもしろくて、印象的でした。
臨床系の心理学をやっている方が読んだらどう思うのか感想を聞いてみたくなりました。(笑)
その他にも、「ゆとり教育」、「資格ブーム」、「日産サバイバル英語」、「妻の殺意」、「せわしないスローライフ」などどれも実際の現場での取材での話がそのまま掲載されていて、「オイッ!」って読みながらツッコミを入れたくなります。(笑)
マスコミで流される情報は簡略化されてすぎていてどれも自分から遠い世界であるように見えるのですが、高橋さんの取材の話を読んでみるとなんだか共感してしまいます。
人が抱える矛盾をそのまま描き出すところに高橋さんの本の特徴があると思います。
統計で変にまとめあげられたつまらない社会学の本を読むよりもよっぽど社会の実像を映し出していて勉強になると思います。
一度でいいから高橋さんの取材に同行してみたいです!




