2006年11月26日

「日本人のしつけは衰退したか −『教育する家族』のゆくえ−」

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日本人のしつけは衰退したか
―「教育する家族」のゆくえ―
著者:広田 照幸
出版:講談社 (1999/04)

突然ですが、質問です。

「家庭の教育力は、低下している。」 YES ・ NO
「家庭の教育力の低下が、青少年の凶悪犯罪の増加を生み出している。」 YES ・ NO

多くの人がYESと思われたと思いますが、そんな人はぜひ、この本を読んでみてください。
「教育の責任は、家庭にある。」そんな言葉をよく耳にします。
また、同時に「家庭の教育力は、昔よりも低下している。」という言葉もよく耳にします。
「現代がダメで昔は良かった。」という議論は、往々にして、過去を賛美しているだけの可能性があるだけにきちんと吟味することが大切です。

「家庭教育」にについて、広く流布しているイメージに以下のようなものがあると筆者は捉えています。

◎ 「家庭の教育力は低下している。」
 ○ 「昔のしつけが厳しかった。」
 ○ 「最近は、しつけに無関心な親が増加している。」
 ○ 「家庭は外部の教育機関、特に学校にしつけを依存するようになってきている。」

◎ 「家庭の教育力の低下が、青少年の凶悪犯罪の増加を生み出している。」
 ○ 「近年、青少年の凶悪犯罪が増えている。」
 ○ 「それは、家庭の教育力の低下が大きな原因の一つになっている。」
 ○ 「家庭の教育力を高めることが、現在求められている方向である。」

確かにどれもよくある話です。
しかしながら、実はどれも根拠に乏しく、ただ単にイメージに語られている話のようです。
この本では、筆者が丹念にたくさんの文献を調べあげ、これまで明らかにされてこなかった昔の日本の実態を明らかにしています。
日本の「家庭教育」の変遷について知るとても良い本でした。
「え〜!そうなの〜!」という驚きを随所で感じました。
メディアで報じられている話と全然違うんですよ〜!
今度、祖父や祖母、父や母にインタビューしてみようと思います。(笑)
今、日本では、「家庭教育」の重要性が至るところで指摘されていますが、それが過度になるとどうなるのかという筆者の指摘は、的確だと思います。
「家庭」・「学校」・「地域」は、教育の3本柱と言われますが、このバランスが崩れる恐ろしさについても考えさせられました。
家庭の教育の向上することがいかにも子どもに関する問題を解決する万能処方箋のように語られることは、とても危険であるという筆者の意見は、教育関係者のみならず、多くの人が考えていかなければならないことだと思いました。

posted by 特定非営利活動(NPO)法人 夢職人 at 10:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 教 育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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