
子どもの社会的発達
著者:井上 健治/久保 ゆかり
出版:東京大学出版会 (1997/04)
子どもの成長に関する本は、様々にありますがこの本は、子どもの社会的な側面に焦点を当てている本です。
人は生まれたその瞬間から周囲の人々との関わりを通して、「心」も「体」も段々と成長を遂げていくわけですが、成長とともにその対人関係も大きく変化をしていきます。
小さい頃は、親や家族とのやり取りが一番多いわけですが、成長にするについれて仲間や教師、保育者など移り変わっていきます。
この本では、成長段階や対人関係の種類に応じて、発達していく子ども姿を詳細に描いています。
近年、何かと話題にされる「社会性」というものが順を追って展開していくことがよくわかります。
途中には、「『自己』や『他者』をどのように認識していくのか?」、「道徳性はどのように身につけていくのか?」、「『社会的事象』をどのように捉えていくのか?」などちょっと基礎から一歩出たテーマにも言及しています。
ところどころに調査の結果、事例、専門用語の解説などが加えられており、理解を深められるように工夫されています。
個人的には、子ども達が遊びを通して社会性を獲得していく話や、一般的には良くないこととして処理されがちな仲間同士での葛藤から多くの学習をしているという話は、特に興味深く読ませていただきました。
研究書としての側面から書かれているので実用書とは異なりますが、子どもと関わる様々な立場の方々に参考になる知識が多くつまっている本だと思います。
子どもの社会性の発達について詳しく知りたい方には、特におすすめする本です。


