
公教育の未来
著者:藤原 和博
出版:ベネッセコーポレーション (2005/05)
杉並区立和田中学校を知っていますか? 近年、とても注目を浴びている中学校です。ここには、(株)リクルートで東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任し、フェローとして活躍されている藤原和博さんが校長先生を務めていらっしゃる中学校です。東京都の公立中学校で初の民間人校長です。この本は、Benesse賞「日本の教育への提言」最優秀論文の内容を大幅に加筆して、まとめられた本です。藤原さんの取り組みは、「よのなか」科という授業はあまりにも有名です。その他にも「地域本部」という取り組みや「ナナメの関係」の構築について、その必要性や実施状況、成果などが詳しく述べられていました。
現在の日本を成熟社会として捉え、 大量規格品的サラリーマンを生み出すための教育ではなく、これからの市民社会を担う「市民」を育てるための教育の必要性を訴えていました。ひとつひとつの言葉がとても胸を打つ言葉で、教育について実に信念を持った方だと思いました。前半部分では、これまでのビジネスマンとしての経験と和田中での経験から日本社会と教育の現状についてひとつひとつ紐解いています。これは評論家としての言葉ではなく、実践者としての言葉であり、大変共感させられました。特に「ナナメの関係」についてのお話は、当団体の活動そのものであり、勉強になりました。
以前に藤原さんと同様に(株)リクルートを出られて、独立された社長さんにインタビューをする機会があったのですが、この本の最後に述べられていたことと同様のことを述べられていました。社会の最前線で活躍されてきた方だからこそ、これから求められている教育が見えているのだと思います。「学校を核に地域社会を再生し、そのことによって子どもたちの学びを豊かにする」実際の取り組みは、とても参考になりました。ぜひ、うちの団体の活動にも活かしていきたいと思います。




