「なぜ、あの商品は爆発的に売れたのか?」、「どのようにして突如として、流行が生まれるのか?」そんな疑問がきっと誰しもが考えたことがあると思います。本書に登場する「ティッピング・ポイント」とは、「あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間」のことです。この本は、米「ニューヨーカー」誌の専属ライターであるMalcolm Gladwell氏が執筆した“Tipping Point: How Little Things Can Make a Big Difference
爆発的に社会に普及していく商品やアイディアは、複雑な要因が重なって起こる現象ですが、個々の現象を調べていきながらそれを体系的に理論まで練り上げていったものです。正にその広がっていく様子は、「感染」という言葉がふさわしいほど劇的です。いくつかの心理学の実験も紹介されており、社会心理学の読み物としてもなかなかおもしろいと思います。本書で紹介されている事例の中でも荒廃していた地下鉄を徹底していくことからニューヨーク全体の犯罪を改善させていった話しは、あまりにも有名。この背景には、アメリカのハーバード大学のジェームス ウィルソン教授によって提唱された「割れた窓」理論がもとになっているようですが、その理論をジュリアーニ市長がどのように具体的な施策として講じていったのかはあまり深く知らなかったので勉強になりました。
どのようにしたら、小さなNPOによる活動が社会に対して大きなインパクトをもたらすことができるか?と考えている方も多いはず。きっと、本書はその一つの手がかりとして有益なヒントを提供してくれるとともに、小さな変化を生み出すことの重要性を教えてくれるはずです。当然のことですが、すべての大きな変化は、はじめから大きな変化だったわけではありません。たった一人のちょっとした行動が社会へと波及していくおもしろさをこの本は教えてくれました。
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