2007年08月25日

「思春期のこころ」


 思春期は、それまで行動の主として家庭から段々と社会へ巣立っていく時期です。中学生ぐらいの子どもたちがちょうどそれくらいの時期に当たります。心も体にも顕著な変化があり、親が子どものことを理解しにくくなったと思うのもこの時期が多いようです。この本では、思春期における心理的な特徴について、包括的に述べられており、「いじめ」、「ひきこもり」、「少年犯罪」などの具体的な事象についても理解を深められる一冊です。専門書的な内容ですが、非常に読みやすく、心理学を特に知らなくても十分に楽しめます。

 「少年事件は本当に凶悪化しているのか?」、「なぜ子どもたちはイライラするのか?」、「どこまで自主性に任せ、どこから介入すべきか?」どれも大変興味深い疑問です。すべての大人が通過してきた時期であるにもかかわらず、なかなか思春期の理解はむずかしいものです。その不安を煽るかのようにメディアでは、奇行ばかりが取り上げられています。でも、このような奇行は、誰しもが経験している思春期に特徴的な心理が絡み合って起こるものです。けして、一部の狂人が引き起こすものではなく、そのリスクというのは、どの子ども達にもあるということがよくわかります。でも、多くの場合、周囲の大人の適切な介入があればその深みにはまることなく、生きていくうえで必要な糧とすることができるのだと思いました。

 テレビや新聞などで取り上げられるような事例ばかりを目にしているとなんだか少年犯罪が増え、凶悪化しているような印象を持ちますが、全く統計的な根拠のないことです。「犯罪について国際比較を見ると、成人についても青少年についても、日本は依然として暴力犯罪の最も少ない国の一つです。だから、『日本では、最近、青少年の暴力が問題になっている』と言うと、海外の研究者は一様にいぶかしい顔をします。彼らは、むしろ、なぜ日本は暴力犯罪が少ないかを知りたいと思っているからです。」(本文引用) 周囲の大人が思春期の時期の子ども達について、正しい認識を持っていることは、子どものみならず大人自身にとってもとても大切なことだと思います。気軽に読める一冊なのでぜひ、一読ください。
posted by 特定非営利活動(NPO)法人 夢職人 at 10:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 心 理
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