子育ては家庭の問題だけでなく、社会的な基盤があってこそなされるものです。日本は、一昔前までは、ごく自然にそのような基盤が成立していたことを象徴する言葉に「親はなくても子は育つ」という言葉があります。最近は、めっきり聞かない言葉かもしれません。本書では、子育て都市として、発展してきたカナダのトロントでの取り組みについて、網羅的に説明されており、大変参考になった一冊です。今すぐにでもはじめたい取り組みが多数取り上げられていました。
臨床心理士である著者がソーシャルワークの重要性を何度も強調しておりますが、私自信もとても共感しています。特に昨今、専門分野が高度化し、それを橋渡しするコーディネーターが日本においても必要不可欠だと感じます。自分の地域に気軽に会話のできるコーディネーターが存在していたら、整備が進む専門機関の効果も飛躍的に伸びていくのではないでしょうか?
「マイクロレベル」→「メゾレベル」→「マクロレベル」という全体を見通し、行動していくソーシャルワークの視点こそ、正に日本における地域精神保健の分野において、大変重要なものだと思います。「ゴールは、ソーシャルチェンジ(社会変革)を起こしいくことだ。」という姿勢が何よりも見習いたいところです。対処療法的な行動にとどまらず、予防的な視点で取り組みをすることの必要性をとても実感させてくれました。
2008年01月26日
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