2007年07月08日
「グループのちからを生かす プロジェクトアドベンチャー入門 成長を支えるグループづくり」
こちらも「プロジェクトアドベンチャー」に関する本です。これまでのプロジェクトアドベンチャーに関する翻訳本は、どちらかというと専門書的な本が多かったのですが、この本はプロジェクトアドベンチャーで実際に活躍されているスタッフさんが執筆されている本です。以前に紹介した「プロジェクトアドベンチャー」に関する本の中で、最も読みやすい本でした。正に入門という名にふさわしい本だと思います。
前半部分では、「プロジェクトアドベンチャー」とはどのようなものか?、そして、どのような考え方で行うものなのか?について、わかりやすく解説されていました。「プロジェクトアドベンチャー」って何?という方にはオススメです。私は、「フルバリューコントラクト」という概念が刺激的で勉強になりました。「フルバリューコントラクト」とは、「プロジェクトアドベンチャー」の重要用語です。ちょっと興味がある方は、「プロジェクトアドベンチャー ジャパン」さんのHPなどでも見ることができます。途中に出てくるスタッフのコラムもおもしろいものばかりで、食い入るように読みました。
後半部分は、実際の「プロジェクトアドベンチャー」で用いられるアクティビティについて、いくつも紹介されており、かなり参考になりました。適用できる年齢層も幅広く、子どもの野外教育だけでなく、大人の研修でも十分に使うことができると思います。スタッフさんが紹介してくれているどのアクティビティもユニークで奧が深いもので、発展的に活用することができます。
2007年07月04日
「アドベンチャーグループカウンセリングの実践」
私は、プロジェクトアドベンチャーの基礎的な考え方について読み始めたのですが、もっと大きな収穫がたくさんある本でした。プロジェクトアドベンチャーについてというよりももっと大きな枠組みの「野外教育」や「冒険教育」などに関わる方の指南書のように感じられました。プログラムについての考え方、準備や計画の方法だけにとどまることなく、様々な状況を想定した説明がこと細かくされており、自分自身がこれから「野外教育」に携わるうえでかなり勉強になりました。後半には、プロジェクトアドベンチャーをはじめとする冒険プログラムがどのような現場で応用され、効果を発揮されているのかについてもふれられていました。日本でもこのような冒険教育がはじまっているのかと思うとワクワクします。自分もそのような場にぜひ、参加してみたいです。様々な現場で活躍されている教育関係者の方々にオススメいたします。
2007年06月04日
「キャンプの知―自然と人との教育実践から」
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キャンプの知―自然と人との教育実践から
編集:筑波大学野外運動研究室
出版:勉誠出版 (2002/07)
アメリカなどや欧米などでは、キャンプやレクリエーションがたくさんの専門家がおり、毎年、たくさんの実践や研究が生まれています。現在、日本でキャンプなどの野外教育の専門的な勉強をできる大学は、その他の学問と比較して、とても少ないのが現状です。その数少ない専門機関が筑波大学です。この本は、日本の野外教育のパイオニア的な存在である筑波大学野外運動研究室が30年以上日本の野外教育を推進してこられた飯田稔教授の還暦記念論集です。
教育キャンプや組織キャンプに取り組まれたことがある方ならば、1ページごとに共感させられる「知」がたくさん詰まっています。堅苦しい論文集ではなく、この本に原稿を寄せている16名の先生方の貴重な経験(エピソード)が随所にちりばめられており、多角的に「キャンプとは何か?」ということを考えさせられる一冊でした。ひとつひとつのエピソードが実に深く、思わずかじりついて読んでしまいました。
私は、特にキャンパーと指導者に関する話、キャンプ・カウンセリングの話、キャンプと地域社会の話が心に強く残っています。また、自分のバイブルである「キャンプ・カウンセリング
2007年05月12日
「対立がちからに ―グループづくりに生かせる体験学習のすすめ」
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対立がちからに
―グループづくりに生かせる体験学習のすすめ―
著者:William J. Kreidler/Lisa Furlong
翻訳:プロジェクトアドベンチャージャパン
出版:C.S.L.学習評価研究所 (2001/12)
「プロジェクト・アドベンチャー」(PA)という言葉は、ご存じですか?近年、様々な教育現場で取り入れられ、また、会社の新人研修などにも使われることが多いプログラムです。これは、「冒険教育」(アソベンチャー)の手法と「体験学習」(グループカウンセリング)の手法が融合されたプログラムです。1970年代にボストン郊外の公立学校の教師たちを中心にはじまったそうです。日本の学校では、ちょっと考えに難いですね。(笑)現在、教育効果の高さから急速に日本でも広がっています。詳しくは、日本で普及の中心となっている「プロジェクトアドベンチャージャパン」さんのホームページをご確認ください。
この本は、“ Adventures in Peacemaking: A Conflict Resolution Activity Guide for School-Age Programs ”という洋書が翻訳されたものです。基礎か発展かと言われれば、PAについて基礎的な知識・技術を身につけた方が読まれる本だという印象を受けました。基礎的な考え方を簡単に紹介しながら、その実践方法について詳細に説明されています。大規模なPA器具が必要なプログラムではなく、身の回りの道具でできるプログラムが中心となっています。160ちかくのプログラムが紹介されており、とても勉強になりました。
この本の題名である「対立が力に」に象徴されるように、対立という出来事の中から個人の「力」となる方法や、手段、考え方を学ぶということが中心になっています。「対立」や「葛藤」は避けるべきものとして、扱われることが多いのですが、人が成長していくうえで「対立」や「葛藤」にはたくさんの糧がつまっています。日々、子どもたちと向き合っているとこの重要性は切実に感じます。この本を読んで、「対立」や「葛藤」をいかに学びへとつないでいくか実践的な紹介がとても参考になりました。
2006年10月06日
「ファシリテーター・トレーニング―自己実現を促す教育ファシリテーションへのアプローチ」
ファシリテーター・トレーニング
―自己実現を促す教育ファシリテーションへのアプローチ―
著者:編集:津村俊充/山口真人
ナカニシヤ出版 (2003/09)
近年、教育現場だけでなく、企業の問題解決にも「ファシリテーション」という言葉が用いられるようになっているものの、「ファシリテーション」についてわかりやすく述べられている本が少ないのが現状です。この本は、教育とそれに隣接する諸領域における「ファシリテーション」について、網羅的に各分野の専門家が意義や必要性、理論、アプローチ方法(プロセス)について平易な言葉で述べていました。「ファシリテーション」に関する分野が実に多岐に渡り、いかに重要なものか知ることができました。話しの中心は、教育に関することですが、企業の問題解決におけるファシリテーションを理解するうえでもとても有益な知見を与えてくれると思います。分量はそれほど多くないのですが、 各分野でのファシリテーションの具体的な進行方法や内容や、プローチ方法などが随所に書かれており、実際の場面に十分応用することが可能で、勉強になりました。概論書的に網羅することが優先されており、「ファシリテーション」を勉強して、実践している方にはちょっと物足りない感じがするかもしれません。
この本で「ファシリテーション」の意義や目的については十分に理解することができるので、 次回作では「どのように効果的なファシリテーションを行うか?」ということにさらに焦点を当てて書いてもらえたらな〜!と思います。
2006年10月02日
「人間関係トレーニング―私を育てる教育への人間学的アプローチ」

人間関係トレーニング
―私を育てる教育への人間学的アプローチ―
編集:津村俊充/山口真人
出版:ナカニシヤ出版 (1992/09)
「人間関係トレーニング」という名前を見て、「なんか自己啓発っぽくてヤダ〜!」っていう人もいると思いますが私もはじめは、題名だけ読んで一歩引いてました。(笑)中身をひらいてみると全くそんな内容ではなく、「体験学習におけるファシリテーション」の基本的な考え方やプロセス、理論的なことについて解説されている本でした。
グループダイナミックスの創始者で著名な社会心理学者であるKurt Lewin氏が研究してきた知見を小集団による教育訓練に応用した「ラボラトリーメソッド」と手法が話の土台にあります。現代の日本では、形だけの中身の薄い「体験学習」という言葉だけが氾濫しています。いわゆる「○○体験」とは本当は異なるものなのですが、なんだか同じもののように使われていて残念です。
「体験学習」のきちんとした枠組みや理論的な側面を理解したうえで行われることによって、この「体験学習」の持つ大きな可能性を引き出すことができると思います。
「教育」や「心理」などの現場に関係されている方、またはこれから関係されうる方に有用な知見を与えてくれる一冊だと思います。キャンプ・カウンセラーなどをやっている方にもオススメですし、「まだ専門的に勉強していないけど興味がある!」という方にも読みやすく、スタートに適した本だと思います。ところどころに挿入されている図も理解を深めるうえでとても役に立ちました。後半には、人と人との関わり合いの中でどのような教育的・心理的効果がもたらされるのかについても述べられており、体験学習教育を総合的に多方面から解説している数少ない本だと思います。
2006年09月02日
「キャンプ・カウンセリング」
キャンプ・カウンセリング
共著:A.V.ミッチェル/I.B.クロフォード
訳:兼松保一
出版:ベースボール・マガジン社 (1982)
あまり有名な本ではないのですが、野外教育関する名著中の名著です。近年、様々な野外教育に関する団体が設立され、色々な本を出されているいますが、多くの本はレクリエーションや野外生活技術に関するものが多く、野外教育そのものに書かれた本は数少ないと思います。この本は、3回の改訂を経て、その後は幻に消えてしまった本です。なので1982年につくられたもので最後です。とは言っても現代のキャンプ・カウンセリングに通ずる普遍的な野外教育法や教育論は、全く色あせることがありません。特に第2章で取り上げられている「キャンプ・カウンセラー」という章では、野外教育の指導者がどうあるべきかを事細かく書かれており、さらに野外生活の中で生じる問題にどのように対応するべきかも述べられています。
この本は、けして野外教育を専門とする人のための本ではなく、広く子どもや教育に関わるすべての方に参考となる一冊の本です。教育に携わる者は、どうあるべきか?とても考えさせられます。また、後半は野外教育実践のためのノウハウもわかやりやすく項目ごとに写真や絵入りで書かれていますので、ぜひ、ご参考にしていただきたいと思います。
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