2007年04月29日

「下流社会 新たな階層集団の出現」

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下流社会 新たな階層集団の出現
著者:三浦 展
出版:光文社 (2005/9/20)

 2006年のユーキャン新語・流行語大賞に選ばれた「下流社会」という言葉はこの本から生まれた言葉です。今では、毎日のように聞く「格差社会」という言葉の火つけ役といえる本とも言えるかもしれません。著者の方は、てっきりバリバリの社会学者かと思っていましたが、そうではありませんでした。著者の三浦さんは、マーケティングや消費行動がご専門の方でした。鋭いデータの分析がとても勉強になりました。企業独自が持っているマーケティングデータは、貴重なデータであり、世相を知るうえではとても参考になります。では、「下流」ってなんでしょうか?本の冒頭部分によれば、

「下流」とは、単に所得が低いということではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低いのである。その結果として所得が上がらず、未婚のままである確率も高い。そして彼らの中には、だらだら歩き、だらだら生きている者も少なくない。その方が楽だからだ。(「はじめに」より)

 この本の中の各章のタイトルを見ているだけでもなんとも言えない気持ちになりますが、どこか「確かにそうかもな〜。」と感じてまう部分もありました。データを用いた話が多いので、好き嫌いがはっきりわかれてしまう本かもしれません。対応策に関する部分は、ちょっと物足りない感じも受けましたが、読者も考えてほしいという意図が受け取れる感じもしました。社会という大きくて見えにくいものをひとつひとつ見えるようにしていくおもしろさがありました。

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2007年04月06日

「世界を変えるお金の使い方」

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世界を変えるお金の使い方
編集:山本 良一/Think the Earth Project
出版:ダイヤモンド社 (2004/12/11)

 今、ジュースを買おうとしているあなた!そのジュースをちょっと我慢して社会にちょっぴり良いことをしてみませんか?でも、「そんなわずかなお金で一体どんな社会貢献ができるんだ?」と思うかもしれません。あなたのお小遣いの使い方を少し変えるだけでこんなに世界が変わります。例えば・・・

あなたの100円でミャンマーの子ども5人にポリオの予防接種ができます。
あなたの300円でタイとカンボジア国境にある地雷原を1u分なくすことができます。
あなたの500円で西半球の最貧国ハイチ共和国で不足しているお医者さんを1人雇うことができます。
あなたの1000円でコウノトリが大空に舞う安全で豊かな故郷づくりを支援することができます。

 お金は決して万能ではないけれど、お金で解決できる問題もたくさんあります。大きなお金がないとどうにもならないこともありますが、上記の例の様に私達のおこづかいの範囲の中でもできることはたくさんあります。

 この本には、小さなお金から大きなお金まで私達の住む世界に大きな変化を起こすきっかけになる50の事例が書かれています。もちろん、この本で取り上げられているのは、たくさんある活動のほんの一部です。あなたの意志で使われたお金がきっかけで世界が変わるかもしれません。この本はそのヒントを与えてくれる一冊です。

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2007年03月22日

「1秒の世界 GLOBAL CHANGE in ONE SECOND」

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1秒の世界 GLOBAL CHANGE in ONE SECOND
編集:山本 良一/Think the Earth Project
出版:ダイヤモンド社 (2003/6/13)

 あなたがこのホームページを見ている今この瞬間も私達の住むこの世界はとどまることなく変わり続けています。あらゆるものが変化し続け、変わらないものなどおそらくないでしょう。「そんなことは当たり前じゃないか!」と思う人もいるでしょう。でも、実生活の中で私達の大半は、新聞やテレビのニュースで世界の変化を見聞きしてもなかなか感じとることができません。それは、世界で起こっていることがあまりにも大きすぎることが原因の一つではないでしょうか?

 では、その大きな変化を1秒という単位で見てみましょう。1秒は、およそまばたき1回の時間です。このほんの一瞬の時間で起こっていることを知れば、私達の住む世界の見方がまた変わるかもしれません。

1秒間に人は93mlの空気を呼吸し、
1秒間に世界のどこかで420万トン(25mプール12700杯分)雨が降り、
1秒間に22人が観光のために国境を越えて旅に出て、
1秒間にテニスコート22面分の天然林が消失し、テニスコート
5面分の土地が緑を取り戻そうとし、

1秒間に3人が新たにインターネットユーザーになり、
1秒間に地球が太陽のまわりを29.8Km進み・・・


 物事の変化を1秒で見てみると私達の住む世界がどんな世界なのか何となく見えてきます。私達の住む世界は、望ましいことも望ましいことも刻々と変わり続けています。

 この本では地球上で起きている様々なことを1秒という短い時間で見ていきます。読み終わったあと世界を自分のことのように感じ、深く考えるひとつのきっかけを与えてくれる本でした。

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2007年03月13日

「ウェブ進化論 −本当の大変化はこれから始まる」

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ウェブ進化論
本当の大変化はこれから始まる
著者:梅田 望夫
出版:筑摩書房 (2006/2/7)

 世の中にかなり出遅れましたが読みました!(笑)最近は、“web 2.0”、“ロングテール”、“SNS”、“ブログ”という言葉が当たり前のように飛び交っています。すさまじい勢いで急成長しつづけるwebの世界。ここまでくるとwebを使いこなせるかどうかで生活に大きな違いが出てくるように感じます。就職活動・転職活動は、webなしではできないんじゃないんでしょうか?

 日常の当たり前を覆しつづけたここ10年。webによって、現実世界が受ける影響は、かなり大きいようです。「知」の世界の秩序を再編成を目指すモンスター起業Google、大きな壁を乗り越え新たな経済圏を確立するAmazon、これまでの情報発信のあり方を大きく変え、総表現社会をつくるブログ、破竹の勢いで技術を進化させていくオープン・リソースなどなど今、webの世界で起こっていることやその裏側にある考え方について広く知ることができました。特に「富の再分配」の話は、とても印象に残りました。発展途上国、中小企業、非営利活動団体などにとって、webという道具を上手に使いこなすことによってよりチャンスを手にしやすくなるいうことは、とても大きなメリットだと思いました。広く浅く今のwebの世界について知るには、ちょうど良い本だと思います。

 余談ですが、なぜ、本の帯で将棋の羽生さんがコメントしているのか不思議でしょうがなかったのですが、本を読んで見ると納得!著者の友人である羽生さんの本質と先を見る目は、IT関係者とは違った視点での説得力がありました。将棋の世界もwebによって、大変な変化をしているそうです。

 私は、プログラマーでもIT関係者でもなんでもないですが、わかりやすい言葉で興味深く読ませてもらいました。「これからの大変化とは、何か?」期待と不安の入り交じった気持ちになりました。

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2007年02月19日

「ダーウィンの悪夢」


 淡水湖では、世界第2位の大きさをほころビクトリア湖が今回の舞台。ビクトリア湖は、多種多様
で豊富な生物が住むことで「ダーウィンの箱庭」とも呼ばれています。すべては、半世紀前に放たれた一匹のナイルパーチからはじまります。ナイルパーチは、湖の他の魚類を駆逐し、その切り身の輸出が盛んになっていきます。人々は、湖で加工工場で働き、生計をたてるようになり、一部の経営者らは、大金を手にするようになります。そして、富める者と貧しい者が出てくる。高騰した切り身の値段に湖の周辺に住んでいた人は、それを食べることができなくなり、自給自足の生活ができなくなる。子どもも育てることができず、ストリートチルドレンが増え、生活のために売春する女性が増え、エイズが蔓延する。ナイルパーチを運んでいる飛行機には、戦争のための武器が・・・。
 
 「風が吹けば桶屋が儲かる」形式で繰り広げられる悪夢のグローバリゼーションの現実に思わず目を背けたくなります。あたかも良いこととして語られる「グローバリゼーション」の裏側にこれだけの現実があることをどれだけの人が知っているだろう?これは、けして遠い国の話ではなく、実際にナイルパーチの一部は、日本の食卓にも出ている。環境問題、貧困問題など多くの問題において21世紀は、正に結果が求められている世紀だと思います。
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2007年01月19日

「世界を見る目が変わる50の事実」

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世界を見る目が変わる50の事実
著者:Jessica Williams
翻訳:酒井 泰介
出版:草思社 (2005/4/22)

知っていますか?
「世界の5人に一人は、一日1ドル未満で暮らしています。」こと
「世界にはいまも2700万人の奴隷がいる。」こと
「地雷によって、毎時間一人は死傷している。」こと
「世界で7人に1人は飢えている。」こと
「世界で3人に一人は戦時下に暮らしている。」こと

新聞やテレビ、インターネットで世界の様々な情報が毎日飛び込んできます。それでも多忙な毎日の中では、世界のことについて知ることができるのは、ほんのわずかです。この本では、社会や地球全体が直面している問題に対して、様々な統計の具体的な数字を取り上げながら、複雑な問題を読み解いていく本です。ワンフレーズから始まり、その問題について網羅的に取材をされていました。
50の話の中には、胸を突くような話から、思わず吹き出してしまいそうな話までバランスよく書かれています。どの話も遠い国の話ではないということを考えさせられました。私達の使っている携帯電話やPCを作るために必要な希少な材料が「アフリカの世界戦争」の火種になっている現実は、深く心に突き刺さります。「知らない」ということは、とても罪深いことだと思いました。知らずに済ませていることが様々な問題の引き金になっていることをこの本は教えてくれました。私は、毎日、移動の電車の中で読みながら、眉間にしわを寄せてました。(笑)短い時間で読むことのできる本なので、ぜひ、世界の真実に向き合ってみてください。

タグ:世界 真実 統計
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2006年11月20日

「毎月新聞」

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 毎月新聞
著者:佐藤 雅彦
出版:毎日新聞社 (2003/03)

著者の佐藤雅彦さんは、誰しもが知っている「ポリンキー」、「ドンタコス」、「バザールでござーる」などの様々なヒットCMやテレビ番組のコーナー企画などを手がけた方です。NHK教育テレビ『おかあさんといっしょ』内の歌として、一時、社会現象にまでなった「だんご三兄弟」も佐藤雅彦さんが作詞・プロデュースした作品です。

今は、慶應大学で先生をしているそうです。

佐藤雅彦さんが毎日新聞で4年にわたり連載した月1回のコラム「毎月新聞」をまとめたものです。 
身近に感じる「アレ?」と思った出来事や疑問を論理的に読み解いていく楽しさを学ぶことができました。 
「当たり前を当たり前で終わらせない。」そこには、たくさんのおもしろい要素が詰まっていて、おもわずキョロキョロ日常を見直したくなります。 
著者の研ぎ澄まされた感性から見える世界は、こんなにも豊かなのかと驚かされました。 
子ども達に関わる活動をしていると同じものを見ていても、感性が鋭く、刺激を受けることも多いのですが、佐藤雅彦さんから受ける刺激も似ているような気がします。 
ひとつひとつの話が新聞形式で書かれていて、読みやすく、挿絵がかなりGood! 
3コマ漫画の「ケロパキ」は、結構、お気に入りです!(笑) 
かわいいですよっ! 

たくさんの視点の切り替えができて、頭に良く効く刺激的な一冊です。

タグ:佐藤雅彦
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2006年11月13日

「1歳から100歳の夢」

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1歳から100歳の夢
編集:日本ドリームプロジェクト
出版:いろは出版 (2006/04)

 こんな本があったのかというほど実におもしろいコンセプトの写真集!うちの団体の名前が“夢職人”というだけに思わず手にとって読んで見ましたが、予想以上に深みのある写真集でした。今の日本に生きる1歳から100歳までの100名の方の写真と夢が書かれている本です。


 「エッセイ集かな?」と思いきや笑顔溢れる未来へのまなざしがとても美しい写真とその人の夢が書かれていて、読んでいるうちにグッとくるものがありました。
それぞれの年に抱く特色ある夢が紹介されていて、思わず自分の同じ年の人のページをめくってみたくなります。自分の年のページに掲載されている方の夢を読んで共感しました。「今の若いもんは夢がないね〜!」なんて言葉を吹き飛ばします。子どもが持つ夢はよくスポットライトを浴びますが、大人の持つ夢が興味深く、いくつになっても夢を持ち続けたいと思わせてくれました。「人が夢を育て、夢が人を育てる!」という言葉がぴったりの本でした。プレゼントとしても良い本だと思います。ぜひ、一度、コーヒーを片手にご覧下さい。(笑)

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2006年10月28日

「トラウマの国」

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トラウマの国
著者:高橋 秀実
出版:新潮社 (2005/2/15)

先日、ご紹介したフリーペーパーの「R25」の最後のエッセイを書かれている高橋秀実さんの作品です。

「本書のタイトル『トラウマの国』とは、傷ついた日本という意味ではありません。自分をはっきりさせる目印を追い求める世界のことです。社会の中に自分があるのではなく、あなたの自分と私の自分が投影し合い、そこに『社会』が生み出されるのです。」

自分がなんとな〜く感じていたことをストレートに打ち抜かれた気持ちになりました。

実に、高橋秀実さんらしいシンプルで明快な話です。

取材を重ね導き出されるおもしろおかしい矛盾がそのまま描かれていて、思わず笑ってしまいます。

一番初めの「トラウマへの道」という話が特におもしろくて、印象的でした。

臨床系の心理学をやっている方が読んだらどう思うのか感想を聞いてみたくなりました。(笑)

その他にも、「ゆとり教育」、「資格ブーム」、「日産サバイバル英語」、「妻の殺意」、「せわしないスローライフ」などどれも実際の現場での取材での話がそのまま掲載されていて、「オイッ!」って読みながらツッコミを入れたくなります。(笑)

マスコミで流される情報は簡略化されてすぎていてどれも自分から遠い世界であるように見えるのですが、高橋さんの取材の話を読んでみるとなんだか共感してしまいます。

人が抱える矛盾をそのまま描き出すところに高橋さんの本の特徴があると思います。

統計で変にまとめあげられたつまらない社会学の本を読むよりもよっぽど社会の実像を映し出していて勉強になると思います。

一度でいいから高橋さんの取材に同行してみたいです!

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2006年10月25日

「からくり民主主義」

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からくり民主主義
著者:高橋 秀実
出版:出版社: 草思社 (2002/06)

通勤・通学中に駅に置いてある「R25」ってフリーマガジンって知ってますか?

リクルートが出版している無料の雑誌なのですが、その「R25」の巻末に書かれているエッセイが好きでよく読みます。

特に高橋秀実さんのエッセイがとてもユニークな視点で書かれており、とってもおもしろい!

それがきっかけでこの本を読み始めてみました。

沖縄米軍基地問題、若狭湾原発銀座、諫早湾干拓地、新興宗教団体など様々な問題の現場に筆者が体当たりで取材に行き、メディアに単純化されてしまった真相に筆者が迫っていきます。

事実は、メディアが報じるほど単純ではなく、ややこしく絡み合った利害関係が存在します。

高橋さんのユニークな論調で突き詰めていくのがやっぱりとてもおもしろかったです。

「世論」、「国民感情」、「国民の声」などひとりひとりとは別に「みんな」をつくって、それを後ろ盾にして、「代弁」するマスメディアや政治。

「みんな」が主役になるのが民主で、当然、事実とは異なるわけでたくさんの矛盾を含んでいます。

全員が主役ということは、主役がいないのと同じことです。

高橋さんの様々な体当たりの取材がそのまま描かれていて、おもわず笑ってしまいました。

「みんなが主役」のからくりを紐解いていく中で、思わず「なるほど!」とうなずいてしまいます。

「物事を鵜呑みにしない」ことの大切さを感じることができました。

社会を斜め45°に見ることが好きな方は、なおさら楽しめる一冊になると思います!(笑)

社会学に興味・関心がある方には、色々、勉強になると思います。

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2006年10月08日

「死の壁」

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死の壁
著者:養老 孟司
出版:新潮社 (2004/4/16)

「バカの壁」に引き続き読んじゃいました。
「バカの壁」の続編のような本ですが、今度は、解剖学者としての視点が多く盛り込まれている内容でした。
もちろん、「バカの壁」に続く養老節が炸裂していました。(笑)
「『死の壁』って何かな?」って気になりませんか?
人は「死」から逃れることはできないが、現代はその「死」というものから遠ざかっているという話しからこの本は、始まります。
冒頭の「人が死なない団地」」という部分のお話は、考えたこともなかったので思わず「へー!!」
「生死の境目」を明確に判断することの危うさ、日本の「死生観」の特徴、「一人称・二人称・三人称の死体」という話しは、解剖学者らしい視点での切り口でとても感慨深いものがありました。
ここまでいろいろな視点から「死」というものがどういうものか考え、かつ読みやすい本はそんなに多くないのではないでしょうか?
「安楽死」というテーマは、よく患者の視点から議論されていますが、この本では医者の視点から述べられており、「死を背負うということ」がどういうことか心に響くものがありました。
自殺ということに対して「どうせ死ぬんだから慌てるんじゃねえ」、一人称の死ばかり考えてないで二人称の死をどう受け止めるか考えることの方が重要だとする養老さんのお話は、他の本では、味あうことのできない深みがあって勉強になりました。
これを機会に「死」について考えてみる?
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2006年10月07日

「バカの壁」

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バカの壁
著者:養老 孟司
出版:新潮社 (2003/4/10)

だいぶ出遅れて読みました・・・。
思ったよりもこの本を読みこなすには、高い思考力が必要でよくベストセラーになったな〜!と思いました。
はじめは、もっと生理学的な話しを比喩とかをしながら述べているのかと思ったのですが、全然違いました。
読み終わって結局のところの「バカの壁」はなんだったのかちゃんと説明できた人は、そんなに多くなかったのではないでしょうか? 
著者のこれまで感じてきた社会のあべこべの状況に対する鋭い考察や脳についての話しがとてもうまく絡み合いとてもおもしろい本になっていました。
現代人が一元論的思考で思考を停止させ、自分の周囲に壁を作っている様子がとても滑稽に映し出されていました。
そこに脳生理学の話しがとても調味料のように効いていて、「なるほど〜!」と勉強になりました。
万物流転と情報不変の話しやアウシュビッツの強制収容所に収容されていた経験を持つV・E・フランクル(心理学者)の知見を取り上げているところが特に読み終えた時に心に残りました。
「バカの壁」って何じゃ?と思ったらぜひ、ゆっくり味わって読んでみてください。
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2006年09月13日

「この社会の歪みについて―自閉する青年、疲弊する大人」

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本屋さんでこの本を見つけて、題名のインパクトが大きくて手に取りました。
気鋭の比較文化精神医学者として多くの著書を出されている野田さんの本です。
野田さんの本はいつも斬新な視点から社会を分析していてとても勉強になります。
パッと本を開くと

「仲良くするのよ」というのがお母さんのメッセージ。ともかくこの社会では、自分を主張するのではなくて、仲良くしないと生きていけない、というのが、親の社会観として非常に強くあったから、子どもも、それを強く持つ。
その子が外に行って、泣いて帰ってくると、お母さんの次のメッセージは、「負けたらいけないわよ」。
この二つを統合するのはね、素直に考えると、かなり難しいメッセージですね。だけどこのナゾナゾを解いていかないと、日本人にはなれない。現代の子どもはこのナゾナゾを解いて、社会化するわけです。日本の子どもとして。(本文より)

と書かれていてとても考えさせられる一節が書かれていました。
現代社会抱える歪みを歴史的・文化的側面から鋭く考察しており、思わず息をのんでしまいました。
見せかけの包装紙を全部破り捨てて、現代社会がどのように作られ、なぜ、このような歪みが生まれてきたのか誰にでも理解できるようにわかりやすい話し言葉で書かれていました。
今の社会に決定的に欠けていることを読み解いていくことができます。
題名を見ると分厚くてなんだか読みにくい評論書と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、全然そんなことはありません。
文庫本のような感覚で読むことのできる本です。
今の社会にしっくりこないものを感じている方にぜひ、一読いただきたい一冊です。
夢職人のような活動を行う必要性を再認識させられました。
posted by 特定非営利活動(NPO)法人 夢職人 at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 社 会